南アルプス 広河原研修レポート 7月24日~25日 【大庭】

6月中頃よりマツヤマ・デザインでお世話になっております、大庭です。
7月24日25日の2日間、南アルプスの広河原にて初めての研修に参加させて頂きました。

私は、この6月まで東京に住んでおりまして、
他県に住むのも初、キャンプも初、テン泊も初、釣りも初・・・
初めてづくしの出来事でした。果たして無事に帰ってくることができるのか!?
そんな状況から始まった今回の研修のレポートです。

広河原へと向かう前、超初心者の私はマツヤマさんから
今回の【研修】に向けた基礎情報を教わりました。

1つめは、必要な道具について。
大きなバックパックの中には「衣・食・住」に必要なアイテムが詰まっています。
こんなに大きく重い荷物を背負い、まともに歩けるかどうかも不安でしたが、自分自身が生きるために必要なもの、その最低限が詰まっていると考えると、意外と小さくまとまるのだなと感じました。

2つめは、山の気温について。
今回向かう、南アルプスの広河原は標高1500m地点に位置します。
気温は標高が100m上がるにつれ0.6度下がります。そのため広河原の気温はこのあたりより約-9℃。7月下旬浜松市が30℃くらいであれば、広河原は約21℃。だいぶ涼しくなります。


【お勉強のメモと持ち物リスト】

マツヤマさんは「暑くなることは考えなくてよい。」とおっしゃいました。「それよりも、夜の寒さに備えなければならない。」とも。この季節手に取ったことのないモコモコのフリースもバックパックに詰めました。今までの感覚が通用しない、まるで別の国に行くような感覚でした。

そして3つめは、日本の川と魚たちの現状について。
日本のほとんどの川にあるダムの事、漁協の事、砂防ダムの事、放流された魚たちの事・・・
今回お話を聞くまで全く知らないことでした。
自然に触れ合う機会の少なかった私は、川が流れていればそこはもう「自然」そのもので、泳いでいる魚は全部天然で、東京の外にはそんな自然がたくさんあるんだと、単純に信じていました。

本やテレビから得た都合の良いイメージを、自分で掘り下げることもなく、そのまま信じていたんだなと感じました。きっと川や魚の事以外にも、そんなことが沢山あるのだろうなと、それは怖いことだなと。
これからは「本物」に触れる事・知ることを大事にしたい、この研修がその第一歩になればよいなと、そう思いました。

当日は、予報とは変わりとても良い天気でした。

長くて揺れる吊り橋を、重い荷物でフラフラしながら渡ると、下には大きな川が流れています。
自然渓流の間近に来るのは初めての事です。まして、これからその川に入って行くことになるなんて。数か月前の私は想像もしていなかったと思います。

今回ご一緒したのはベテランの先輩方チャーハンさん、シンさん、そしてマツヤマさん。
それから私と同じくフライ初体験の、タナカさん。
もう一人写真に写る方は、広河原の主(!?)クラタさんです。
テントの張り方から始まり、ウェーダーの着方、道具についての基本的なこと事を教えて頂きました。

餌釣りと違い、釣れるようになるまでが難しいと聞いていたフライフィッシング。初心者の私とタナカさんに課せられた今回の目標は、釣れるか釣れないかではなく「竿を折らないこと」。
改めてフライのハードルの高さを感じます。

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川辺は大小の石で不安定・・コンクリートの上ばかりを歩いてきた私は まともに歩くことさえ一苦労でした。皆さんについていくのがやっとです。

初めてのキャスティングも、感覚がつかめず全然遠くに飛びません・・
何度も何度も投げてみますが・・上手くいくどころかティペットが絡まる始末。

私はこんな状況でしたが、ベテランの先輩方曰く川の状況はとても良いらしく、大きな魚がたくさん釣れる予感!?眺めているだけでも何回もライズが見られ、もしかしたら私も・・・というワクワク感が沸いてきます。

先輩方はどんどん釣っていきます。
みなさんすごく良い笑顔。大の大人が心から喜び笑う姿って、ずいぶん見ていなかったように思います。

先輩方は初心者の私たちに竿の持ち方から魚がいそうな場所まで、とても丁寧に教えてくださいました。自分達ももっともっと釣りたかったと思いますが、ずっと近くで見守り、糸が絡まるたびに助けて頂き、本当に感謝しております。

今日が初フライのタナカさん、すごく上達が早いです。
そして・・・

綺麗な岩魚を、立て続けに2匹!!
なんだか自分の事のように嬉しかったです。
見守っていた皆さんも大喜び!

・・・かくいう私も、さっきまでライズしていたポイントを教えていただき、 手伝ってもらいながら竿を振ったところ、なんと!!

釣れました!!

手取り足取りサポートいただいた結果ではありますが、 生まれて初めて川で魚を釣りました。
こんなに小さな魚に、ものすごい力で引っ張られる感覚、 網の中でも力強く跳ねる姿、全てが新鮮で今でも強く印象に残っています。

達成感の中、まだ明るいうちに夕食の準備を始めます。

ごはんを温めてカレーをかけて、チルドのハンバーグを載せます。
自宅で出したら手抜きだと思われそうですが、温かいご飯が食べられるなんて、この場ではとても贅沢なメニューです。

いつの間にか辺りは真っ暗に

小魚を炙る心さん、チャーハンさんは焼いたウィンナーにとろけるチーズをかけて・・・皆さんのアイディア料理がおいしくて、こういう楽しみ方もあるのだなと思いました。私もいつか手料理を皆さんに振舞える日が来たら良いな、それはきっととても楽しいだろうなと思いました。

教えてもらいながら、初めて組み立てた1人用のテント。慣れない環境でちゃんと眠れるか心配でしたが、思ってた以上の居心地の良さ。着替えにも十分なスペースがあり、しっかり私の空間になってくれました。そして満腹感と程よい疲れでぐっすり。

朝方、明るくなっていく天井と活動を始める人たちの足音で、自然と目が覚めたのでした。

2日目は少し曇り空で、今日はあんまり魚がいないなーと思っていたところでパラパラっと雨が。時間も丁度良いのでここで撤収です。

私の成果は、初日の1匹のみ。しかも2日目の移動中に足を滑らせ転倒。
竿を落とし先っぽを折ってしまいました・・・!!!
会社の備品を破損してしまい本当に申し訳ございません・・・そして最初の目標であった 「竿を折らない」という約束を守ることができませんでした・・・

【水たまりにはオタマジャクシ、石の裏にはたくさんの生物がいます】

ベテランの皆様から見れば不甲斐ない結果であるとは思いますが、
予報を覆し天候にも恵まれ、良き先生方に恵まれ、とても楽しく充実した2日間でした。

出発前に、オオムラさんが「釣れなかったとしても、とても楽しいのよ。」とおっしゃっていました。釣りなのに釣れなかったら退屈では?と不安だった私ですが、自然との触れ合いや一体感、キャンプの楽しさに加え、他の人が釣れた時に自分の事のように嬉しくなってしまい、
なるほど、この場にいるだけで十分に楽しいのだなと思いました。

浜松に越してきて、もうじき2ヶ月が経ちます。今まで自分が世界のごく一部の狭い範囲しか知らなかったことをじわじわと感じ始めてきています。まだ私の知らない世界が、自然が、楽しいことがきっとたくさんあるはずです。たくさんの世界と触れ、人と繋がり、それらを仕事に昇華していけたら、私の中で今までになかったものが作れるのではと、そう思います。

これからの生き方、生活、デザインという仕事への向き合い方について、思いを巡らせる機会を、良い刺激を与えてくださった今回の研修にとても感謝しております。
これから、マツヤマ・デザインの一員として地に足のついた仕事ができるよう、さらに多くの「本物」たちに触れていきたいと思います。

今回お世話になりました皆様、素晴らしい機会をくださった会社の皆様 本当にありがとうございました。

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