ぶどうの樹（ふくろい　喫茶店）

　「上の子が生まれた頃始めたから、子供達は、『私たちは子育てしてもらってない』って言うんですよ」と笑うお母さん。お母さんが丁寧に手作りしている古き良きミートソーススパゲッティは、パスタって呼ぶ感じじゃない。タマゴホットサンドは、熱々サクサク。「特別なことはしていないのよ。ゆで卵をつぶしてパンに塗ってホットサンドメーカーでプレスするの」。コーヒーはサイフォンで入れてくれる。水が沸騰して、上にあがるとコーヒーの粉も一緒にあがるので、木のヘラで下に落とす。年季が入ったヘラを尋ねると「だいたい１年くらいでこうなるわね。もともとはこういう色なのよ。」と、新品のヘラを見せてくれた。店内にコーヒーの良い香りが漂ってくる。常連さんは２０年前から通っている人も。カウンターに座り、コーヒーを飲みながらおしゃべりして帰って行く…。きっと我が家のように寛げるからかな。カウンターに座ってコーヒー飲んで…。子供の頃想像していた喫茶店がここに残っていました。

たまごホットサンドとサイフォンコーヒー、手馴れた手つきを見ながら新聞を読もう。