静岡県 三島 ホテルジーハイブ トレッキングツアー 城山トレッキングに参加して アウトドア体験 ブログ

ホテルジーハイブ トレッキング入門宿泊モニターツアー体験記 2019.07.20

「三島市にあるホテルジーハイブで、モニターツアーがあるから一緒に行ってみない?」と、友人に誘われ、体力に自信のない44歳の私がモニターツアーに当選し、参加することになりました。

今後、ホテルジーハイブではアクティビティイベントを定例化したいと考えているようなので、ツアーに参加してみたいけど、不安だなぁと思っているあなたのために、今回の体験を記すことにします。

 

参考までに言うと、普段の私の運動量は犬の散歩で2キロ歩く程度。しかもその犬はチワワとミニチュアピンシャーのミックス犬のオスなので、マーキングをしながらゆっくり歩きます。(ウォーキングとは言えません。)

月1回から2回のバレトン(バレエ、ヨガ、フィットネスの要素を含んだ一連の動作を流れるようにつなぎあわせて動き続ける有酸素運動)は、本当は週1回あるのにサボり気味。(バレトンの先生ごめんなさい!)

買い物に行くにも、子どもの習い事の送迎をするにも、車に頼りっきりの生活です。

 

トレッキング用の服、シューズを持っていない私は、モンベルの店員さんに相談しました。すると、「どのくらいの山に登るのか」「いつ行くのか」などと質問をしてくれ「レインウェアは外せませんね」「これも必要ですよ」と、全身を見繕ってくれました。

トレッキングズボンは、身長150㎝の私には長かったので、丈を詰めてもらいました。2日程かかると言われ、後日取りに行きました。丈詰めも混んでいると時間がかかるようなので、早めに購入することをお勧めします。

リュックは10年前山登りに凝っていた父の物を拝借しました。

 

もちろん、あなたの好きなアウトドアブランドで構いません。

なぜモンベルだったかというと、近くのららぽーと磐田に大きなモンベルのお店が入っていたからという理由です。買い物をした後に受け取った紙袋に「SINCE 1975」と書いてあったので、モンベル創業が1975年だと知りました。私の生まれた年ということで、勝手に親近感を持ちました。

 

トレッキングツアーに絶対必要なのが、トレッキングシューズ、トレッキングズボン、化学繊維の速乾素材の下着、Tシャツ、レインウェアだと思います。トレッキングズボンではなく、スポーツジムで履いているスパッツ、スニーカーで来られた方もいらっしゃいましたが、今回アウトドアグッズの勉強をした後に、自分に合うズボンやシューズを購入したいと言っていました。

 

今回の講師をして下さったアウトドアプロデューサーの松山さん、プロガイドの渉さんのご紹介もしておきたいと思います。

 

アウトドアプロデューサーの松山さんは、SEOに特化したHPの企画、立案、作成をするマツヤマデザインというデザイン会社の代表取締役であり、カメラマンでもあります。

アウトドア初心者が入学する「アウトドアの学校」も主催していて、松山さん自身が年間30日から40日のキャンプ生活を送っているだけあって、本当に必要なアウトドアの道具にとても詳しいです。

松山さんは、キャンプ、登山、フライフィッシングが大好きで、掛川市にある、炭焼きの杜明ケ島キャンプ場をプロデュースし、アマゴを守る活動もしています。

松山さんがアウトドアの講義をしてくれるのですが、どれもこれも「へ~! 初めて知った!」と興味深く、勉強になる事ばかり。

私が初心者丸出しの質問をしても、笑顔で詳しく答えてくれました。

ニコニコ優しくて自然体なので、参加者の皆さんからも、「先生!」「松山さん!」と親しまれ、トレッキング中もずっとおしゃべりしながら歩いていました。

 

プロガイドの鈴木渉さんは、スタジオやまもりの代表取締役。山岳ガイドでもあり、写真家でもあります。

「頂上を目指さない 富士山さんぽ」という本を執筆していて、そこでは富士山五合目以下の森を歩く素晴らしさを語っています。

渉さんは、高校時代は野球部で活躍し、大学ではトライアスロン部に所属していたそうです。

「大人の自転車修学旅行」「茶園ピクニック」など、地域の自然や魅力を活かしたツアーを行っているそうです。

体育会系の渉さんは、第一印象は硬派でとっつきにくいかなぁと思うかもしれませんが、お話しすると、とっても聞き上手。頼りになるお兄さん、といった感じ。(実際は私より年下ですが。)アウトドア、山登り、私生活の悩みまで素直に話してしまいました。

参加者も渉さんに「どんな山に登ったらいいのか」「おススメの山は?」など、相談をしていたようです。

 

ドキドキしながら待っていた7月20日が来ました。

ホテルジーハイブのラウンジに8時に集合なので、浜松駅から6時半の新幹線に乗り、7時半には三島駅に。大学のキャンパスが三島にあったので、実に24年ぶりに三島駅に降り立ちました。大学は駅の北側だったので、南側はあまり来たことがなかったのですが、ジャズフュージョン部の仲間とジャズ喫茶に入り浸っていたこと、楽寿園にキリンがいたことを思い出しながら、5分程歩くとすっきりとお洒落な外観のホテルジーハイブに到着。

一番乗りでしたが、すぐにホテルスタッフの方が声を掛けて下さり、コーヒーを飲みながらラウンジで他の参加者の到着を待つ事ができました。

 

今回、モニターツアーに当選したのは、東京、埼玉、名古屋、静岡在住の、住む場所も、年齢もバラバラの8名でしたが、簡単な自己紹介をすることで「初めまして」の緊張が和らぎました。

 

9時からアウトドア教室が始まり、松山さんの持参道具の紹介がありました。

ゴアテックスなどの透湿防水素材のレインウェア上下は、夏でも必須だということを知りました。なぜかというと、雨が降る予報がなくても、山の天気は急変しやすく、山頂は風が吹いていて、25℃の時に風速5mだと体感が20℃くらいになり、100m登ると、0.6℃気温が下がると言われているからです。今回登る城山は、342mなので、1.8℃気温が低くなるということになります。

急な雨で携帯電話やタオルが濡れたら困るので、防水袋も必要だなぁと思いました。

他にも、サングラス、ヘッドライト、ロープ、ライター、小さく収納できる袋、袋入りの水、ガスバーナー、五徳、クッカー、コップ、ナイフセット、ストック、カラビナ、行動食、手拭い、ティッシュ、ウインドシェル、フーディーニジャケットが、ザックの中に納まっていました。

 

次は、渉さんのお話です。渉さんは、いつも1/25000の地形図と、コースタイムと山小屋情報が載っている高原地図を持参するといいます。自分が登る山の、標高差や、山道の分岐がどこにあるのかを初めに確認しておくことの大切さを教えてくれました。

 

今回登る城山は、静岡県伊豆の国市にある標高342mの山で、地下にあったマグマが冷え固まり、浸食によって地表に現れた岩頸(がんけい)と呼ばれる地形で、切り立った岩壁がロッククライミングのスポットになっているそうです。

 

城山は、長嶋茂雄氏がランニングコースに選んでいたそうで、ごつごつした岩が多いので、瞬発力強化に最適だったということです。

ゆっくり歩くなら簡単かもと思っていましたが、登り始めると「ミスター恐るべし。この岩の山道を走って登っていたなんて、やはり運動神経が良い人は違うなぁ」と思いました。

 

アウトドア教室が終了し、身支度を整えてから出発です。トレッキングに不要なものは、部屋まで届けてくれるということで、ホテルの方が荷物を引取ってくれました。

今回は、ホテルの従業員でもあるTさんもトレッキングに参加するということで、参加者に混じって一緒に歩くことになりました。

ホテルから歩いて1分のところにコンビニがあるので、そこで各自、思い思いのお昼ご飯を購入しました。

 

私はおにぎりを2つ握ってきたので、小さなカップラーメンを選びました。講師のお二人が山頂でお湯を沸かして下さるというので、お言葉に甘えて500mlのペットボトルの水も購入しました。

 

伊豆箱根鉄道の駿豆線は三島駅から修善寺までを結んでいて、今回は城山のある大仁駅までのチケットを購入しました。三島駅から大仁駅までは約30分の電車の旅です。

 

「ラブライブ!サンシャイン!!」の、ラッピング電車が入線してきました。よく見ると、声優さん達のサインが書いてありました。遠く田んぼの道から、電車の全体像を撮影しようとしているファンや、カメラマンが多くいました。

 

4人掛けの椅子に、Bさん、Nさん、Oさん、と座り、朝ごはんが早かったので、先ほどのコンビニで買った焼きおにぎりをほおばりながら、おしゃべりをしました。

 

Bさんは最近の中国事情を話してくれました。上海のマンション一室が4億円くらいということ、ひとりっこ政策で、女性が足りないから東南アジアからお嫁さんをもらうこと、などなど、知らないことだらけで面白かったです。

Nさんは、9月にひとりで屋久島に行き、屋久杉を見るまで11時間歩かなくてはならず、今回は足慣らしで参加したと教えてくれました。Facebookで友達申請をし合い、30分があっという間に過ぎてしまいました。

 

大仁駅に到着すると、駅前ロータリーに「黄金の湯」と呼ばれる金山から湧き出る天然温泉の足湯があり、地元の高校生が足を浸していたので声を掛けると「熱いですよ!」と教えてくれました。恐る恐る手を入れると手が赤くなるくらい熱い! 「よくお湯に入れてられるねぇ」と言うと、「慣れました」とのこと。地元の人たちは熱い温泉のお湯に慣れているのかしら。

飲むことができる温泉が出ていたので、ひしゃくでお湯を受け止めて飲んでみました。温かく、美味しかったです。

 

渉さんが、「向こうに見える山が城山ですよ」と教えてくれました。

向こうに見える城山は、岩肌が見える荒々しい山。こんな山に本当に登れるのだろうかと不安になりました。

 

温泉を飲んで力をもらったところで、城山の登山口まで約30分歩きました。

狩野川の堤防を歩いている時に、松山さんが「一列に並んで写真を撮ろう!」と、みんなで手をつないで一列になり、写真を撮りました。わくわくした気分が伝わるような素敵な写真でした。

 

 

Kさんが、「狩野川は、ふるさとに出てくるかの川ですか?」と渉さんに質問し、渉さんは「そうではないようです」と答えていました。私が記憶している「かの川」は、自分たちの故郷にある川という意味だと思っていましたが、調べてみると、「かの川」は、「ふるさと」を作詞した高野辰之氏が生まれ育った長野県中野市の班川と言われているようです。

 

静岡県内の大河川は全て北から南に流れますが、狩野川は天城山を水源としているので、南から北に流れ、沼津付近で大きく向きを変えて駿河湾に注いでいます。

狩野川大橋を渡り、狩野川記念公園の休憩所でトイレ休憩をした後、田園風景が広がる道を歩きました。このトイレの中には、燕の巣があり、燕の赤ちゃんが餌を運んできてくれる親の帰りをじっと待っていました。

 

民家の蔵には、伊豆石が使われていると渉さんと松山さんが説明してくれました。

伊豆石は、凝灰岩であり、江戸時代から昭和初期にかけて伊豆西部、南部で切り出されて出荷され、江戸城を築城する際の石垣、土蔵、倉庫、建物の基礎などに広く利用されたようです。伊豆石はやわらかいので加工がしやすく、風化しにくく耐火性にも優れているぞうです。石切り場の跡が城山にも残されていると教えてくれました。

城山の登山口手前には、子育て地蔵尊があり、子宝に恵まれますようにと手を合わせている人がいました。

登山口には5台程の駐車スペースがあり、今日は2台の車が停まっていました。

 

渉さんが音頭を取り、準備運動を行いました。足を伸ばしたり、手を伸ばしたり、首をまわしたりして、登山に備えました。

 

松山さんと渉さんがストックを持っていたので、山登りに自信がない私が2本、NさんとOさんが1本貸してもらうことにしました。

ストックの持ち方も知らなかったので、登りは胸くらいの高さに調整し、下りは少し短くすることを教えてもらいました。

 

城山の登山口には、城山ハイキングコースの看板、ジオサイトの看板がありました。ジオサイトとは、ジオパークの大地の成り立ちが分かる見どころのこと。ジオパークとは、「地球、大地(ジオ)」と「公園(パーク)」を組み合わせた言葉で、地球を学び、まるごと楽しむことができる場所をいいます。

 

お昼の12時の鐘が鳴る頃、登山口から登り始めました。

松山さんが「水分をこまめにとって下さいね。行きに1本、帰りに1本くらいを目安にして下さい」と声掛けをしていました。

 

松山さんが「渉さんを先頭に、山登りに自信がない人から順番に並んで下さい」と言うので、自信がない登山初心者の私は、渉さんの後ろにぴったりとくっついて、遅れまいと必死に歩きました。

 

 

前日に降った雨が残る道はぬかるみが多く、滑りやすいごつごつした岩を「よいしょ」と登らなければなりません。

「ハイキングコースと看板に書いてありましたが、私の思い描いているハイキングはこれではありません。(私の思うハイキングとは、サンドウィッチが入った籐のバスケットを持って、スカートをふわふわさせて、草原を歩く、みたいな)。」と泣き言をいうと、渉さんは「ハイキングの概念は人それぞれ違いますからね」とばっさり。標高が高い山を登る人や、泊りで登山をする人にとって城山はハイキングなのかもしれませんが、私にとっては立派な登山でした。渉さんは私の弱音を聞いて、何回も後ろを気にしてくれ、「大丈夫ですか?」と気遣ってくれました。感謝です。

 

途中、伊豆石の石切り場がありました。江戸時代から昭和初期にかけて、人の手によって切り出された跡は、水平に等間隔で模様が入っています。鑿を使って少しずつ切り出していたことを思うと、昔の人はすごいなぁと感心してしまいました。

 

後ろの方から、賑やかな笑い声が聞こえてきます。山頂に登ってから「何をそんなに笑っていたのですか?」と松山さんに聞いてみると、

 

「Bさんが蛇を異様に怖がって、「先生、山に蛇はいますか?」「先生、蛇は噛みますか」「先生、このズボンだと蛇の牙は通りますか」「先生!」ってすごい勢いで聞いてくるんだよ」と教えてくれました。私もその話を聞いて笑ってしまいました。

 

山で出会った生き物は、手足の白い沢蟹、カミキリムシ、休憩場所の木の机の上にいた目を凝らさないと見えないユウレイグモ。鳴き声だけ聞こえたウグイス、姿の見えない野鳥。美しい大輪のヤマユリ、可愛い蛇苺。

ぬかるみの中に猪の足跡を見つけ、「あれは猪の寝床だよ」と松山さんが指を指して教えてくれた場所は、猪が一匹分寝るのに丁度よく均されていました。

 

登り始めて30分くらいたったところで、一旦休憩をしました。

休憩場所は少し開けていて、青々とした草が川の流れのように生えていました。深呼吸をすると、清々しい木の香りや、草いきれが肺一杯に入ってきました。

木でできた椅子、机がありましたが、湿っていそうなので誰も座りませんでした。座ったら最後、もう歩けないかもしれないので、私も立ったまま水筒の麦茶を飲みました。渉さんはレモン味のグミを参加者全員に分けてくれました。レモンのすっぱさと、グミの甘さが疲れを取ってくれるようでした。なるほど、私も次回の山登りにグミを持参し、仲間に分けてあげようと思いました。山の気温は25℃でしたが湿度が100%くらいではないかと思うくらいで(計測していませんが、実際は80%くらいでしょうか)汗があとからあとから流れます。頭から汗が流れ出る感覚は久しぶりでした。

 

少し歩くと、お地蔵さんと、杉の木が等間隔に植えられている分岐点に出ます。

ここでも小休止を取りました。お地蔵さんは旅人や村人が行き来の安全を祈るために設えたものなのでしょうか。お地蔵さんの横には太陽の光を浴びようとぐんぐん枝を伸ばす勇ましい木が立っていました。お地蔵さんを左手に見て右側に道が伸びていて、ここからこの道を辿るとどこにたどり着くのだろうかとしばし考えてしまいました。

 

山頂まではあともう少し。渉さんは、捨てられたペットボトルを拾い、持ち帰るようにリュックのポケットに差し込みました。その姿を見て、私も真似したいと思いました。ゴミ袋を余分に持参し、ゴミを拾って、下山した後にゴミ箱に捨てる作業はそんなに難しくありません。もちろん、ここに来る人達がゴミを捨てないように気を付ければ済むことですが、うっかり落としてしまうこともあるかもしれません。山を愛する人の行いを見習いたいなぁと思いました。

 

ハイキング気分で来ていた4名の地元の方とすれ違いました。私の父くらいの年齢の彼らは涼しい顔をして降りてきました。リュックを背負わず、普段着とスニーカーです。「暑いですね。山頂はいかがでしたか?」と声を掛けると、「ほんと、暑いねぇ。富士山がちょっと見えたよ。雲がちょっとかかってたもんで。(かかっていたから)」とのことでした。

 

登り始めて1時間後、とうとう山頂に到着しました! 頑張った自分に拍手をしました。山頂はちょっと狭いけれど、11人が座ってご飯を食べるには困らないくらいです。普段富士山を見る事のない参加者は、雲の切れ間から富士山が顔を出している姿に感動しているようでした。南は天城山、見下ろすと狩野川、ゴトゴトと電車の音が聞こえてきました。

 

全員でわいわいと写真を撮り、吹き抜ける風が気持ち良い山頂でお昼ご飯を食べました。

 

 

私は石の上に座りましたが、土の上に座らなければならないメンバーに渉さんがすっと折り畳み式のアウトドアクッションを差し出していました。

 

 

松山さんと渉さんが持参してくれたアウトドア用のガスバーナーでお湯を沸かしてくれて、それぞれ好みのカップラーメンにお湯を入れてもらいました。夏でも温かい物を食べるとなんだかほっとします。肌寒い時ならなおさらです。次回の山登りの時には、ホットコーヒーが飲めるように用意して行きたいと思いました。もちろん一緒に行く仲間たちの分も持って行って・・・。スティックタイプのカフェオレや、粉末の緑茶もいいなぁとあれこれ思いを巡らせました。

運動をした後、お腹がペコペコになるのは学生以来。こんなにもおいしいおにぎりとカップラーメンは久しぶりだなぁと感じました。普段はあまりカップラーメンを食べる事がなく、食べても汁は飲みませんが、こんな美しい場所に汁を捨てるのは嫌なので、ぐいっと飲み干しました。ミニカップラーメンにして正解でした。

 

 

お昼を食べながらKさんと、「今まで行った海外旅行で一番良かった国」の話をしました。

Kさんのお気に入りはスペイン。私もいつか行ってみたい海外のひとつだったので、話が弾みました。

 

お昼を食べ終わると、改めて富士山や天城山の写真を撮る人、おしゃべりをする人、山頂から少し降りたところにある突き出た岩でポーズを取る人、と、思い思いに休憩を楽しみました。突き出た岩に座ると、落ちそうで怖いくらいです。そこから見る景色は山頂とはまた違う田園風景が広がっていて爽快でした。

 

 

1時間程のんびりした後、下山に向けて準備をし、出発。

下りの方がぬかるみや岩に足をとられて大変でした。私はストックを使わせてもらっていたので転ぶことはありませんでしたが、尻餅をついてしまった方もいました。

ストックの使い方が分からなかったので、松山さんに持ち方を教えて頂きました。

松山さんと渉さんがいなかったら、木のこと、生えている苔のこと、山に生息する生き物のこと、アウトドア用品の使い方、山でのマナーを知らずにいました。また、渉さんの後ろにぴったりと付いて歩けたので、どこに足を置いたら最適かが分かり、安心して歩くことができました。

 

城山は、ロッククライミングができる山でもあるので、ハイキングコースをそれて、クライミングの場所に歩を進めました。1回だけ屋内のボルダリングを体験したことがある私は、その大変さを知っています。普通に登るのも大変なのに、数字の順番通り進まなくてはなりません。手足があともう2本くらいあれば、と思ったものです。人工的なボルダリングと違い、自然を相手にしたロッククライミングを初めて見ましたが、恐怖で顔が引きつりました。ロープを頼りに、一人で黙々と登っている人がいます。このロープが何かの手違いで下まで落ちてしまったらどうするのだろう。いたずらっこがロープを引っ張ったらどうなるのだろう。と、考え出したら怖くなりました。

 

ほぼ垂直の岩を登る姿を11人で見守りました。きっとそれぞれ思うことがあったでしょう。なぜか急に静かになってしまいました。誰かが声を出したらクライマーさんがびっくりして落ちてしまうのではないかと心配していたのかもしれません。

 

 

帰りの道は登りよりも早く、15時前には登山口に到着しました。

 

松山さんが大急ぎで降りてきたので何をするのかな? と思ったら、ビデオをまわしながらみんなの到着を待ち、ハイタッチをしていきました。到着した順番に並んで、みんながみんなの生還をお祝いしました。泥だらけの靴を出して丸くなり、写真を撮りました。今降りてきたばかりの城山を指さして笑いました。汗だくのみんなの顔が清々しくて素敵でした。

 

大仁駅までの道は、Aさんとおしゃべり。Aさんはフルマラソンを4時間切る速さで走る強者。山男達に連れられて、高い山にも登り、富士山へはゴミ袋を抱えて割れた瓶やゴミを回収して登り、下ってきたらゴミ袋いっぱいになったと笑っていました。素晴らしい心を持つ人がここにもいた! 「現代はペットボトルだから、割れた瓶は多分、昭和の時代からのゴミなんだろうね。ガラスの欠片だから、危険だし、重かったねぇ。素晴らしいことをしたねぇ。」と言うと、「ゴミを拾って登っているおじいちゃんがいたから真似しただけですよ~」と笑顔で答えてくれました。

 

都会からやってきた参加者は、口々に「あの鳥は?」「あの魚は?」「稲の緑が気持ち良いねぇ!」「こんな景色、久しぶりに見たよ」と言っていました。私の住んでいる町は田園風景が広がり、すぐそばに池もあるので、アマサギや、カモ、コイ、フナ、亀を普通に見る事ができます。改めて自分の住む静岡っていいところだな、と、都会からの参加者の会話を聞きながら思いました。

 

帰りの電車の中で、Tさんと二人で景色を見ながらおしゃべり。Tさんは、大手企業に就職が決まっている大学四年生。Tさんから、「仕事って、お給料と人間関係、どちらが大切ですかねぇ?」という人生相談。私は、「やはり人間関係ですかねぇ。」と答えました。

そりゃあお給料もたくさんもらえて、好きな時に休みもとれて、人間関係が良い会社が一番良いけれど、そんな夢のような会社ってあるのかしら。

現代と20年前とでは、会社の考え方も全く違うような気がします。私が学生の時は氷河期だったので、募集1名のところに100人試験を受けに来る時代でした。会社が学生を選ぶ時代だったのです。今は、学生が会社を選べる時代なのではと思います。だからこそ、「自分の好き」を仕事にできるような気がします。

ひとつの会社に定年退職するまで勤め上げる方もいれば、転職したり、独立したりする方もいます。私のように色々な職種で働いて来た人もいるでしょう。

彼女の倍は生きているけれど、仕事観については個人の考え方で違うし、環境にも左右される事だと思うので、多くは語れませんでした。Tさん、頼りない相談相手でごめんなさいね。でもね、私はあなたを応援しています。

 

ホテルジーハイブに到着したのが、17時過ぎでした。ホテルのスタッフの方が「おかえりなさい!」と笑顔で迎えてくれたのが嬉しかったです。思わず「ただいま~!」と言ってしまいました。参加者の中で私が一番疲れている顔をしていたような気がしました。

松山さんが、「シャワーを浴びて、さっぱりしてから18時15分にラウンジに集合しましょう」と全員に伝えました。

 

スタッフの方が、「4階を女性だけにしましたから、シャワーを浴びた後、ドアを開けたら男性がいてびっくり! というのはないですから安心して下さいね」と鍵を渡してくれました。そういった心遣いが嬉しいです。

各階に3つシャワーブースがあるので、慌てる事もありませんでした。4階に到着するとすでにBさんがタオルを持ってシャワーブースに入るところで、「急いで使いますね!」と、ここでも優しい気遣いが。「大丈夫ですよ~!」と言っている間にBさんはシャワーブースに消えていました。

 

鍵を開けて部屋に入ると、コンパクトながら机、椅子、ベッド、洗面台、冷蔵庫、トイレがあって快適な空間でした。

荷物を整理し、冷蔵庫を開けるとキンキンに冷えたペットボトルのお水が。嬉しいサプライズです。お水を飲みながら、Bさんがシャワーブースから出たかな? と思う時間に行くと、1つが空いていたので、さっそくシャワーを浴びる事にしました。足ふきタオルは一人一枚使えるようにしてあるのが嬉しい心遣いです。中に入ると思いのほか広く、備え付けのシャンプー、リンス、ボディソープは紅茶の香りがしてリラックスできました。脱衣所には壁掛け扇風機がついていたので、扇風機を回しながら身支度を整えることができました。使用した足ふきタオルをダストボックスに入れ、部屋に帰ってからゆっくりドライヤーで髪を乾かすことができるのが良かったです。

お化粧を少々直し、ベッドに寝転がると、眠ってしまいそうになりました。

事実、Kさんは寝てしまったそうで、寝起きの顔でラウンジに入ってきました。

 

ラウンジでは、おいしそうな軽食と飲み物が用意されていて、瓶に入ったしぼりたてリンゴジュースを飲みながら反省会をしました。ひとりひとり感想を言い、今日の感想を1枚の紙に書きました。8名が真剣に20分間カリカリとボールペンを走らせていました。

書き終えた人から、軽食をつまみはじめました。松山さんが最後に「どこへ何をしに行くかよりも、誰と行くかが大事」と言い、本当にその通りだなぁと思いました。

今回、はじめましての人ばかりだったのにも関わらず、こんなにも楽しかったのは、「アウトドアに興味があって、山登りが好き」な人と一緒に山を登れたからだと気づくことができました。

年齢も、バックグラウンドも違う私たちが、肩を組んで写真を撮ったり、わははと笑い合ったりできたのも、さりげない優しさと気遣いで8名の仲を取り持ってくれた松山さんと渉さんのお陰様だなぁと思いました。

また、今回参加した方々は、コミュニケーション能力も、アウトドアに関する知識も、仕事も、趣味もレベルが高いなぁと思いました。

アウトドア好きな人とおしゃべりをするとなんでこんなに楽しいのでしょうか。視界が開けているせいでしょうか。自然と触れ合う時間が長いからでしょうか。

 

これで解散! 各自自由行動の時間ですが、松山さんの「飲みに行きませんか?」の一声で、全員が「行きたいです!」と手を挙げて参加表明をすると、スタッフのTさんが近くの居酒屋に予約を入れてくれました。

 

ホテルジーハイブから歩いて5分程の居酒屋「九十厨(くじゅうくり)」で、全員で乾杯をしました。

九十厨は地元の人に愛されている店のようで、大賑わいでした。

 

各々好きな飲み物を注文して、山芋いそべ揚げ、豆腐とじゃこのさっぱりサラダ、串盛り、刺盛り、手羽揚げ、揚げ出し豆腐、牛ホルモン唐揚げ、などなど、好きなものをどんどん頼んで、みんなでシェアしてわいわい食べました。

三島は海に近いので、お刺身が美味しい!

 

11名がお座敷に座りましたが、テーブルの区切りの関係で、3名の方とお話ができました。ホテルのスタッフTさんは、6月にジーハイブに入社したばかりの21歳。

「一人暮らし?」「ごはんは食べているの?」「仕事はどう?」と、お母さん気分で質問してしまいました。Tさんは自炊を心掛けているようで、「パスタばっかり作って食べています」。「仕事は夜勤もあるので大変です。」と、答えてくれました。

Oさんは、息子さんが野球、娘さんがバスケをしていることをお話してくれました。

渉さんは、昔やってきたスポーツの話、ガイドの仕事の話をしてくれました。

皆さん聞き上手だったので、余分なことまでたくさん喋ってしまいました。

 

23時になり、そろそろ帰ろうとみんなで割り勘をし、3500円を集金し、支払いをすると一人300円のアイスが食べられそうだということになり、酔っ払いたちはコンビニにふらふらと歩いて行きました。私はハーゲンダッツを選び、他のみんなも好きなアイス、飲み物を買い、残金58円という結果に。この58円は、Оさんが次の日に三嶋大社のお賽銭箱に入れてくれ、今回のツアーの無事のお礼を伝えてくれました。ラウンジに到着した私達は、好きなアイスを食べながら、Facebookで全員とつながり、メッセンジャーでもグループを作り、写真をシェアすることにしました。夜勤のスタッフさんが「もしよかったら」と差し入れてくれた台湾のお菓子も甘くておいしかったです。

この連帯感は一体何だろう? そしてこの楽しさはいつぶりだろう? と、いつも21時半にはベッドにいる私にとって真夜中のアイスとお菓子とおしゃべりは心地の良いものでした。

 

名残惜しい気分で解散し、各々部屋に戻って行きました。

もう一度シャワーを浴びて寝ようと思い、熱いシャワーを浴びてから歯を磨いて、メールのチェックだけをして早々にベッドへ。

「部屋にテレビがないので・・・」とスタッフさんは言っていましたが、テレビを見る暇もなく、バタンキューでした。携帯のニュースサイトを見ればテレビよりも早いので気になりませんでした。

 

ひとりで大阪旅行をした時に、カプセルホテルに泊まりましたが、多分もう使うことはないだろうと思っています。というのも、海外からのお客さんが多く、私に与えられたロッカーの前に大きなスーツケースがどーんと置いてあるので、「スミマセン」となぜか私が片言で謝り、ロッカーの荷物を出し入れしなければいけませんでした。

その場所にはスーツケースからはみでたお土産が散らばっている状態で4人から5人がわいわいがやがや陣取っていて、辟易しました。カプセルだから仕方がありませんが、部屋の中では立てません。梯子を下りて共同のトイレに行かなくてはなりません。唯一救いだったのが、最上階に大浴場があったことです。大浴場といっても4人が入ればいっぱいのお風呂でしたが。

 

ホテルジーハイブの部屋は、必要最低限のものがぎゅっとコンパクトに揃えられているので、とても快適でした。トイレが部屋にあるというのが嬉しかったです。また、ドライヤーが完備されているので、シャワーを浴びたら部屋に帰ってゆっくり髪を乾かせるのも、シャワーブースを使うお客様同士に遠慮させない配慮だなぁと思いました。

 

目覚まし時計をかけずに起きたのは久しぶりです。

太陽の光がうっすらカーテンから入ってきて、気持ちの良い朝でした。

7時からの朝食に合わせてラウンジに降りて行くと、「おはようございます。一番乗りですよ!」とスタッフさんが声を掛けて下さいました。

きっとみんな疲れ果てて寝ているに違いない、と、パンでしょ、サラダでしょ、卵焼きもいいね、と、ゆっくり朝食を選んで席に座ると、「おはようございます!」と朝から爽やかなОさんが。一緒に朝ごはんを食べ、美味しい淹れたてのコーヒーを飲みました。Оさんは、今から三嶋大社と三島の街を散策すると教えてくれました。

ラウンジには小さい子を連れた家族、単身の男性もいました。お父さんがパンを焼きに台所に行ったり、お母さんが飲み物を取りに行ったり。その間、小さい姉妹は、おりこうに座って朝ごはんを食べていて、微笑ましかったです。

日曜日のゆったりした朝の時間が流れていて、幸せな気分になりました。

 

私は次の予定があったので、8時半の新幹線に乗り、10時には自宅に到着していました。

あっという間に現実に戻ってきたわけですが、夢のような時間はまた自分で作れると私は知っています。それだけで大きな収穫でした。

 

チェックアウトは10時なので、10時までラウンジでコーヒーを飲みながら、今日の計画を立てる事ができます。ホテルでミニベロ(お洒落で可愛い自転車)を借りて三島の街を走るのもいいし、Оさんのように、三島を散策するのもいい。Aさんのように滝を見つけにランニングをするのもいい。(Aさんは、ホテルの1階にある無料のコインランドリーで昨日の洋服を洗って乾かしたので、早朝ランニングをしてきたらしい。今からシャワーを浴びて、朝ごはんを食べると言っていました。元気だなぁ~)

三島駅から1駅で沼津駅に着くので、沼津港深海水族館、おいしい海鮮丼を食べに行ってもいい。楽しい旅はまだまだ続きます。

 

私の好きな歌人の穂村弘さんが、北海道新聞のエッセイでお父さんと筑波山に行った話を書いていました。

「悪戦苦闘した山道から帰った時、毎日歩いている道なのに「わぁ、道がひらべったい。なんて歩きやすいんだろう」「これならどこまでだって歩けるよ」。と思った。なのに、数日経つともうその感動は薄れている。登山は非日常体験で、いつもの感覚が束の間破られ、いつもの道がまったく違った輝きを帯びる。けれど、このどんよりとした「いつもの世界」の向こう側には煌めきに充ちた可能性の世界がどこまでも広がっているのだ」(野良猫を尊敬した日 穂村弘著 講談社)

 

穂村さんは、大学時代ワンダーフォーゲル部に所属されていたので山登りは得意なはずなのに、久しぶりの山登りは苦しかったと書いていました。

 

私にとっていつもの世界の向こう側は、アウトドアであり、登山であると思います。

いつもの世界を輝かせるのは、もしかしたら非日常体験をすることなのかもしれません。

ホテルに泊まる事だって、非日常体験だと思います。

ホテルジーハイブに泊まり、アウトドアアクティビティをし、新しい仲間を作る。

あなたの中の何かが動き始めるきっかけになれば嬉しいです。

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