image
てんぐの小風呂 使用機材一覧

野外でお風呂を作る時に、
実際に使用した機材一覧と一口メモ
【特許出願済 アウトドア・防災お風呂 てんぐの小風呂」開発者 松山拓也】
私は、長年の夢、防災でも使える、アウトドア野外お風呂システムを作りたかった。コンパクトで持ち歩けて、キャンプ場でも源流でも、無人島でも風呂に入りたい。しかも、いつまでも暖かく、追い炊きが出来、少ない装備で、さらに持ち運ぶ際にザックが汚れず、衛生的で、何度でも使えて身体を芯まで温め、汗を洗い流せる風呂を欲していたのだ。

ナイトー工業さんと出会い、てんぐの小風呂の開発、実現するまで、何十回もの実験と、2年以上の月日が流れた、その中で「これを使えばお風呂を沸かすことが出来る」という、私が実際に使った小道具(もしくはそれに限りなく近い商品)を紹介する。どれもアマゾンで買えて安価なものなので参考にしてほしい。

てんぐの小風呂 共同開発者 アウトドアライフプロデューサー 松山拓也

【使い方動画】
2021年12月に撮影、気温14℃ 水温10℃で実験。 80分で入浴可能な40℃に到達。
【アウトドア 露天風呂作り動画】
野外でアウトドアお風呂!渓流の河原に穴を掘って露天風呂作り。「てんぐの小風呂」「旅するシャベル」「サラマンダーの檻」使用実験動画





【湯船を作る】


■湯船につかうベランダストッカー 

ベランダストッカーで風呂に入れるとは、普通の人は思わないであろう、私もそうだった、しかし入れる。120リットルのベランダストッカーに半分の60リットルの水を入れるのがコツだ。私の身長体重は163cm63kgであるが、十分入れる、ちなみに190センチの友人でも入れるか実験してもらった、結果は以下の通り「入れる」毎日家で使う風呂じゃなし、ある程度肩まで入れると心底温まる。長く入っているとのぼせるほどだ。
(写真 左170cm右190cm)

初期のころは水量が多く、なかなか40度にならず苦労した。コツは「沸かす水の量が少なければ少ないほどお湯は温まりやすい」という基本的なことだ。【120L容器に60L】、これが私が確立した沸かしやすいアウトドア風呂の黄金の方程式である。ここではアイリスオーヤマさんの商品を紹介しているが、私が使用しているのは静岡の地元のホームセンター「ジャンボエンチョー」で購入した120Lのものである、ここまで大きなものは逆にアマゾンで買うと運送費が高いので、地元のホームセンターで購入した方がコスパが良い。


■断熱マット(超重要) 

コレが有ると無いとでは大違い、初期の実験では断熱マットが無いので、お湯が冷めてしまい40度まで達するのに時間が掛かった。季節にもよるが、これが無いと冬は3時間たってもお湯が40度にならない場合があるから要注意。最近では、これをもう一つ使い「ふた」にすると、お湯が40度になる時間が大幅に減少するので蓋としても使用している。ベランダストッカーでも、地面に穴掘り式でも必須の装備である。これを使わずに「てんぐの小風呂なかなか温まらない!」と言う人は説明をちゃんと見ていない・読んでいない人である。これが無いとダメである。



■防水シートA(タープ)

穴を掘らずにベランダストッカーなどを浴槽にする際には不要だが、動画のように地面に穴を掘り、露天風呂気分を味わいたい時に使用する。タープだから防水であるし、風呂から上がればタープとして使える。



■防水シートB(シート)

これに近いものを河原の動画で使用している。もう10年以上も使っているので十分元はとった。でもまだ使うと思う。銀マットだけでは防水が万全でないのでこれを使用する。

【お湯を循環させる仕組み】


■ポンプA「お風呂ポンプ」 電源コンセントがある場合
言わずと知れた「お風呂ポンプ」である。これはスゴイ商品だ、1500円もしないのに、グイグイと水を出す、お湯でも大丈夫か?と思ったが、そもそもお風呂用であった、問題ない。これと水道ホースに使うホースを10センチくらい切って繋いで、「てんぐの小風呂」に付属するソケットとつなぐとアラ不思議。お風呂循環システムが完成するのである。でも電気が使える場所でないと意味がない。災害時に停電だと使えないし、キャンプ場でも電源サイトでないと使用できない。でも電源が使える場所でアウトドア風呂を作る時には非常に重宝する。アウトドア露天風呂を目指す人は1500円弱なので買っておいてソンはない逸品である。



■ホース(10センチくらいでよい)

お風呂ポンプを使う場合に使用。お風呂ポンプとシリコーンチューブをつなぐ為に使用する。このホースを10センチほど切り、写真のように、てんぐの小風呂に付属するソケットを使い接続する。それだけでお風呂が沸かせるようになる。10センチあればよいのでハサミを持って庭に出て切って持って来ても良い。でも無いと繋げない大切なパーツである。



■ポンプB 電源が無い場合 

アマゾンお得意の海外格安製品である、評価コメントを読むと、数人に一人はヒドイ評価をしているが、まぁそういうものだろうと思い購入、幸いにもアタリらしくて、下の黒いフタが外れて困るくらいのトラブルで、針金で縛って使用しているが今のところ問題はない。動かなかったらクレーム言えば新しいのを送って来てくれるだろう。このポンプを買った理由は、電源がワニグチクリップであること、これをバッテリーにつなぐのである。あともう一点は、非常にコンパクトであること。動画のようにザックに入れて持ち運ぶ際には軽くてコンパクトであるというのが最大の利点である。



■ポンプC 電源が無い場合 

有名なユーチューバーさんも使用しているポンプである。これはなかなかいいのだけれど、吐出口のサイズと強度に不安があり実験段階では使用したが現在は私は使用してはいない。お手軽でいいのだが、現地で充電が切れると何ともならないので不安である(実際に充電切れになった経験が数回ある、あれは寂しい…)


■バッテリーA

ゴムボートに使用しているエレキのバッテリーと充電器のセット。これはいいのだが一つ一つのバッテリーが重くて仰々しい。車で行く場合のキャンプで二個のバッテリーを持って行けば2泊3泊は風呂に困らないと思う。とんでもない安心感である。


■バッテリーB

バッテリーAでは重い!となって使用しだしたバイク用バッテリー。60リットルのお湯を沸かす(40度にする)為に使用する為には十分である(マイナスに近い冬季では不安が残るが)。源流に歩いていき風呂に入る為にザックで背負っていくには、私の体力ではこの1.4kgが限界である、これ以上だと重くて嫌になる。実際に使用する人にアドバイスするならば、充電はしっかりしていくように。ということだ、現地に到着し、重いザックを下ろし、充電を忘れていたことを思い出した瞬間は忘れられない。


■シリコーンチューブ

てんぐの小風呂を楽しむ際に非常におススメなのはシリコンチューブである。実験段階で何度も内藤さんとケンケンガクガク実験したのがこのチューブ問題であった。結果、8mmの内径のシリコンチューブが良い!となったのである。入れにくいが6mmのものでも銅管に使用できる。シリコーンは柔らかいので途中で折れて水流が止まると熱湯がとどまり、いきなり熱いお湯が出てくるので注意が必要。2mあればまぁ使えるが、湯船と火を使う場所を離したい場合はもう少し長い方が安心。ちなみに私は1.5m×2本・50cm×1本のセットで使用している。非常にバランスが良い。いろいろアレンジしてみると楽しい。



━ バーナー ━

■プリムス2243バーナー(冬季以外)

非常に使いやすく、安心感のあるバーナーである。バーナーと呼ばれる火器は数十個持っているが、キャンプや登山の時には私はこれを使う。理由はシンプルで安定し、信頼できるからである。それ以上に大切なことはない。てんぐの小風呂の実験では常に活躍してくれた名品である。てんぐの小風呂はイワタニのカセットガスでも使用できるが、ゴトクが大きいと鍋が安定しないので注意が必要である。別に2243バーナーでなくても火力が十分あれば事足りる。しかし、チョロチョロした弱っちい火では、温かいお風呂には入れない。安心できるバーナーを使うことをおススメする。


■MSRドラゴンフライ (冬季で使用する場合)

ガス缶で使うバーナーは使いやすいのだが、気温が下がる冬、特に0℃近くなると途端に火力が落ちる。てんぐの小風呂は1時間近く、元の水が冷たい(10度以下)の冬は40℃まで水を上昇させるのに時間もかかり(私は3つのバーナーを使い約90分かかった)、十分な火力が必要である。長時間使うと気化熱によりガス缶が冷えてガスの噴出が減るガス缶式のバーナーでは「風呂がわくまで待ってられない」(水を循環させるバッテリーも心配)ので私は液体燃料式のバーナーを使用する。私は液体燃料式のバーナーであればドラゴンフライを選択する。



■鍋 プリムス ライテックケトル&パン
非常にバランスの取れたアウトドア鍋の名作と言っていいもの。私はこの鍋でいったい何個のサッポロ一番を食べたのだろう。最近ではお風呂のお湯を沸かすためにも使用していると聞けば、1953年にエベレストを初登頂したヒラリーとテンジンも驚くであろう。てんぐの小風呂は、私の使うこの「プリムス ライテックケトル&パン」で使うために開発した。ゆえにジャストサイズである。
その後、他にも私は鍋を使ったが、買った鍋が品切れのようなのでここには載せない。プリムスのライテックケトル&パンと同サイズ、つまりアウトドアで使う中型のOD缶がスッポリ入る鍋であれば問題なく使えるのである。


厳冬期、雪の上での実験の写真、こうゆう時にはバーナーを3個使う。


■養生テープ

【※注意 非常に重要】てんぐの小風呂を実際に楽しむときに、絶対に忘れてほしくないのはこの「養生テープ」である。湯船から出るシリコーンチューブを定位置に定め、バーナーにかかる鍋から湯船にもどるチューブを固定する。ベランダストッカーに銀マットを固定する。無いと非常に苦労する。やってみればわかる。嘘だと思うなら養生テープを使わずにてんぐの小風呂を使用してみるが良い。ホースが外れてせっかくのお湯が外に流れ出ていたり、ひっかけてホースを引っ張り鍋を倒したり、入浴中にホースがどこかに行ってしまったり、散々な目にあうであろう。その後、養生テープを手にしててんぐの小風呂での湯沸かしをすると私の言葉が理解できるであろう。300円しない買い物である。ケチって良い事はない。


■水汲みバケツ
魚釣りで使う水汲みバケツ。野外で露天風呂を作る時に非常に重宝する。ざっくり5リットルくらいは水を汲める。必要なのは60リットルなので12回水を汲むだけでいい。あるだけで非常に役に立つ。私は軽くて薄い最もシンプルなタイプを使用する。透明だったり、厚手だったり、豪華なものもあるがあれは釣りにはいいが風呂つくりにはあまり効果はない。忠告すべきは魚釣りとは別のバケツを用意するといい。バケツが魚臭いと風呂まで魚臭くなる。釣り師は注意すべきであろう。


■水温計 赤ちゃん水温計

実際、てんぐの小風呂でお湯が沸くのを待つ時間は最低でも1時間ほどある。その間はヒマである。そんな時に「今、何度だろう?」と思うのは人間のサガであるし、ヒマな人間にとっての唯一の楽しみは水温を図ることである。この水温計は赤ちゃん用でプカプカ浮くし、バーナーで熱せられた水が湯船に戻る温度を、シリコーンチューブから出てくるお湯に水温計をあて、「今何度のお湯が出てる!」と分かるのは無上の楽しみである。これが無ければ40度になったかどうか?そもそも分からない。なので必要である。別に赤ちゃん用でなくともよい。私はコレを使っているのだ。




最後に、
このまとめ記事は、私が30年におよぶ長年の夢を実現する為、2年以上の歳月をかけ実験を続けた際に実際に使用した道具、使ってみて「これは使える」と思った道具である。どうか皆様も安全に気を付け、「てんぐの小風呂」を使い、アウトドア露天風呂にチャレンジしてみて欲しい。もしもの防災の有事の際には非常に役立つであろうし、なにより楽しい。新しい使い方や便利な道具などがあればぜひ紹介して欲しい。

末尾になるが私のてんぐの小風呂の実現のために費やした時間と労力が、皆様の楽しみや、もしもの際の安心になるとすれば、私と共同開発者である内藤氏のこの上ない喜びである。

2022年7月1日
株式会社マツヤマ・デザイン
アウトドアライフプロデューサー
松山拓也
http://www.md-f.jp/produce/

Access No.Counter